続・探仏記 ~探仏の旅は続く~

仏像探しに鉄馬童子は今日もゆく・・・

運慶・大日如来はどんな顔

仏像好きにはお馴染み(?)の運慶・作 大日如来。



見慣れた顔立ちだが、部分的に金箔が残り、それが模様のようになっててその印象が強い。

では、金箔が取れたらどんな感じなのか・・・・・ついでに宝冠も取ってみたら・・・・・・



髻は真如苑像より拝借・・・・・・あまりうまく色変換できなかったが。

少し冴えないというか印象が薄くなった感じがする。

では、元々はどんな感じなのか・・・・・文化庁所蔵の摸刻を見ると・・・・・・



これまた随分現在とは印象が異なる・・・・益々どういう顔立ちかわかならなくなった。

まぁ、3つ見比べると今の状態がやっぱり一番。また円成寺に行きたくなってきた。


ちなみに、「近江路の神と仏 名宝展」で拝観した快慶・大日如来の宝冠有無を比較すると・・・・



こちらは宝冠やら瓔珞やら無いほうがいいかもしれない。


最初に見た印象って強く残るものだなぁ、と。

東北 vs 奈良

仏像関連の雑誌・書籍は相変わらず引っ切り無しに刊行されてる。


対決その① 東北 VS 奈良



対決その② 同じ表紙対決




対決その③ 運慶本




さすがに全部に手は出せない・・・・・

仮金堂へGO!

先日訪れた東博でこんなチラシを発見。
2009年の『お堂でみる阿修羅』展以来の公開。
大黒天・吉祥天・・・・チョイチョイ入れてくるなぁ・・・・秋の奈良行きを考えねば!

夏の風仏詩、今年の主役は康円!

昨日の続き。三井記念美術館の後は前回と同様にこちらへ


東京国立博物館




◆11室

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帰宅後、撮ってきた画像を見てビックリ・・・・・殆どがピンボケ・・・・ありゃりゃ。ということで小さくして誤魔化す。入ってすぐの半跏の①菩薩は横からのアングルもなかなか。国宝の⑦広目天(浄瑠璃寺)はいつ見ても素晴らしい、この中では一番の存在感。反対側の⑪不動明王は動きがかたい。他に画像にはないが涼しげな⑧十一面観音(薬師寺)が印象的。入口付近にあった十一面・天王・釈迦・不動はあまり覚えてない。

メインは定朝様の⑫阿弥陀如来、取り巻きの⑬四天王。阿弥陀は地味な印象ながら穏やかな顔立ちで癒し系。一方の四天王は画像ではまったくわからないと思うが、動きが生き生きとしたリアル仏、文化庁所蔵ということだが、まだまだ未公開仏のストックがありそうだ。



◆14室 運慶周辺と康円の仏像

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東博・夏の風仏詩である慶派祭(勝手に命名)。レギュラーの①②大日如来×2躯(運慶・作)は、快慶・大日如来を見てきた後だったが、大きさが異なるのであまり比較する感じではなく、こちらはこちらで個性的。④十二神将は全部揃ってないので今ひとつだった・・・・今回展示がなかった旧・浄瑠璃寺の十二神将は単躯でもそれなりに見応えがあるのだけども・・・・。そして①~④の5躯以外は全て康円・作!⑥愛染明王は均整が取れてるが運慶・湛慶の力動感なし、と説明文で叩かれてる・・・・そんなに辛口批評しなくても、といつも思ってしまう。まぁ、運慶の孫であることの宿命か・・・・頑張れ、康円!と言ってもこれ以上は頑張りようはないが。

⑦~⑪文殊五尊は、文殊菩薩と従者で別々になってて、文殊も獅子から降りてたがこの展示方法で見るのは初めて。文殊の光背も今回初めて目の前で見ることができ、下部の左右に迦陵頻伽(かりょうびんが)が舞ってて優雅な雰囲気、上部には五つの梵字が配置されてて中央が文殊の梵字である「マン」だったので恐らく五尊を表してるものと想像。文殊の髪型は五髻になっていて、それぞれの髻に如来が乗っかってるのことに初めて気づいた(今更)・・・・いつも髪先が尖ってるなぁとは思っていたのだが・・・・・五髻は五智五仏を表してる、との事。

運慶仏×2躯、康円仏×8躯が一堂に・・・・贅沢な空間、是非来年以降も続けてほしい。
(この展示は17日まで)


◆1室/3室/T1室
その他の部屋にもいくつか・・・・1室の薬師如来は平安仏。3室の地蔵菩薩(浄瑠璃寺)はなかなかのイケメン地蔵、浄瑠璃寺には九体阿弥陀堂にも地蔵菩薩がいるがあちらは《子安地蔵》で、こちらは《延命地蔵》。特別1室は『秋の特別公開 贈られた名品』と銘打って寄贈品を展示。阿弥陀如来は鎌倉時代の永仙という仏師の作、三尺阿弥陀だが慶派とは違った趣き。



総合文化展(平常展)でもこれだけ見れれば大満足。康円は残存する仏像が多いものの小ぶりな作品が殆どで動きがまとまり過ぎてるという理由で今ひとつ評価が高くない。できれば<世田谷観音・不動明王および八大童子も合わせて展示してもらえればその実力のほどがわかろうというもの。運慶の父・康慶の興福寺・不空羂索観音坐像、運慶の息子・湛慶の三十三間堂・千手観音坐像のような大作があれば、運慶の孫・康円としてもう少し評価されるかも。

東京初!近江路の神と仏展

奈良国立博物館の『頼朝と重源』展では展示替えにより快慶・作の大日如来(石山寺)が不在でガッカリ。しかし運良く東京にやってきてくれたので、早速行ってみた。

三井記念美術館
琵琶湖をめぐる 近江路の神と仏 名宝展
東京(巡回しません)ってポスターに書いてある。この美術館に来たのは約2年ぶり、『奈良の古寺と仏像展~會津八一のうたにのせて~』展以来。地下鉄銀座線・三越前駅と直結してるので電車から降りて上に行けばすぐ美術館という便利なところ(前回は東京駅からだいぶ歩いたような記憶が・・・) 入館して最初のエリアは金銅仏や仏具など・・・・一気にターゲットである展示室4まで進んで仏ゾーンへ。
まず入って右側、①如意輪観音からスタート。③阿弥陀如来の解説で造像時期について「藤末鎌初」とある・・・・藤原末期~鎌倉初期ということだと思うが、この言い方は初めて目にした・・・・で肝心の阿弥陀仏はあまり記憶なし。


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千手観音あたりから近江っぽい感じに・・・・地方仏特有の泥臭さは無いが、京仏・奈良仏に比べて質素というか・・・・表現が難しいが書籍で近江仏を見てきたイメージがあるので、それにマッチしてきたような・・・・続いて近江と言えば「白洲正子」、白洲正子と言えば「十一面観音」、ということで十一面観音が4躯並ぶ。中でも⑦飯道寺仏は大きな特徴はないものの均整が取れてて一番よかった。隣の⑧円満寺仏は頭上面の彫りが荒く数珠つなぎになってる感じ。⑨櫟野寺仏は頭上面が欠失。

後半は不動明王が2躯、十九観の⑬不動(延暦寺)、大師様の⑭不動(園城寺)。この辺りから今日のメイン仏へ・・・・・まずは⑮地蔵菩薩は快慶の弟子である栄快・作、クールな表情のイケメン地蔵だった。続いて楽しみにしていた2躯、⑯薬師如来(西教寺)は『日本の美術~京都の鎌倉時代彫刻』の表紙になっていたので気になっていた。量感はあるが、目がキリッとしいて精悍な感じがする。薬壺を胸前に掲げるのは獅子窟寺の薬師と似ている。元々は宝珠を持っていたらしいが、そうなると益々同じ。そして快慶・作の⑰大日如来(石山寺)。阿弥陀仏以外の快慶の如来像は初めて。快慶の初期仏とのことだが、そうなると運慶の初期仏である円成寺・大日如来ともどうしても比べたくなってしまう。並べてみると・・・・・

・・・・体躯の幅や衣文線、印を結ぶ位置、髻の高さなどほぼ同じ仕様に思える。どちらがいい悪いはないが、並べると運慶仏のほうが存在感は感じるかも。ただ、この展示の中では快慶の大日如来の存在感がピカイチなのは間違いなし!隣の西教寺・薬師の衣文線もどことなく快慶・大日のものに似通っており、顔付きや体躯からして書いてはいないがこれは慶派・作。この2躯だけでも来た甲斐あり。

最後に本地仏として4躯の如来・菩薩が並んでいたが、どれも眼がはれぼったい感じ。作風はほぼ同じでオリジナルは12躯あったようだが、現在は9躯あるとのこと・・・・9躯並んでたら圧巻なのではないかと・・・・千手の各手の丁寧な作りと頭上面の細かい彫りは見るべきものがあり、隣の十一面観音は逆にやや雑な感じがした。

3周ほどグルグル回って退館。またひとつ快慶仏を見ることが叶って良かった。階下では写真パネル展(無料)が開催されており、十二神将の写真が目にとまった。近江・・・・侮りがたし。


続いて、前回同様に東博へ・・・・・