続・探仏記 ~探仏の旅は続く~

仏像探しに鉄馬童子は今日もゆく・・・

2010年12月

2010年 探仏ハイライト

今年の探仏を振り返ると・・・
①奈良に3回行った
②運慶仏を15体(約半分)拝観、うち12体が初見。
③前半は愛染明王、後半は十二神将にはまった
・・・といった感じになるか。

------------------------------ 1月 ------------------------------
龍峰寺
勝楽寺
世明寿寺/慈光寺
東京国立博物館(平常展)/寛永寺(両大師・清水観音堂)

出だしは不発な月だったが、元旦に拝観した龍峰寺・千手観音は近所に重文の秘仏があったことに驚き。東博・平常展では康円・作の洗練された愛染明王と、旧高山寺蔵の半跏スタイルの日光菩薩が◎。愛染明王探仏のはじまり~。

------------------------------ 2月 ------------------------------
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------------------------------ 3月 ------------------------------
浄楽寺/鎌倉国宝館(平常展)

年2回のみ公開される浄楽寺の運慶仏×5体は素晴らしく、中でも両脇の毘沙門天不動明王が迫力あり(ただ7月に拝観した願成就院仏のほうが好みではある)。続いて行った鎌国で五島美術館蔵の愛染明王が◎、この愛染は等身で一番迫力あると思う。

------------------------------ 4月 ------------------------------
野津田薬師
東京国立博物館/寛永寺(根本中堂)
大安寺/奈良町資料館/>元興寺/福智院/般若寺/東大寺(法華堂・三昧堂)


東博蔵・愛染明王は朱色が良く残り、装飾品も多くゴージャスで良かった。そして満を持して、いざ奈良へ。奈良でも愛染、と期待したがこの時は不発。しかし、さすがの奈良。探仏は充実していて、どれが良かったとは言い難いが、あえて選出するなら元興寺のキリッとした薬師如来、イケてます。急遽行くことになった般若寺では若々しい文殊菩薩に出会えた。そういえば、東大寺・法華堂でのオールスター勢揃いの光景は今回が見納めとなった・・・残念。

------------------------------ 5月 ------------------------------
日向薬師(宝城坊)
蓀珹寺〔れんじょうじ〕/正暦寺/喜光寺/西大寺(愛染堂・四王堂・聚宝館)/海龍王寺/不退寺
宝山寺/来迎院/三千院
東京国立博物館(平常展)/寛永寺(両大師)


再びの奈良へ。一度にあまりに多くの仏像に接したため多少記憶も飛んでいるが、正暦寺で初めて拝観した孔雀明王は両脇に愛染明王を従えてイイ感じ。今後是非行きたいと思ってる高野山の快慶・作の孔雀明王も期待が持てる。そしてメインである西大寺・愛染堂の愛染明王をついに拝観することができた。堂内は中尊を中心にグルッと愛染で取り囲まれる完璧なる愛染ワールド。思ったより小仏だったがさすがキングは貫禄十分。不退寺では、ほの暗い堂内で中尊の厨子にライトがあたり聖観音菩薩が白く浮かび上がる・・・美仏也。この日は海龍王寺の愛染も拝観、この辺りで愛染巡りは一区切り(巡ってたわけではないが)。

------------------------------ 6月 ------------------------------
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------------------------------ 7月 ------------------------------
願成就院/桑原薬師堂
三井記念美術館『奈良の古寺と仏像展』/東京国立博物館『二体の大日如来と慶派の彫刻』

この月は慶派月間。静岡・願成就院の運慶仏×5体は浄楽寺同様、いや更に素晴らしく、中でも制多迦童子の生意気っぷりがストライク。「奈良の古寺と仏像」展では沢山の仏像を見れたのだが、その後に行った東博のほうがより印象に残る。平常展なのに慶派祭という超・お得な日だった。運慶・作の2体の大日如来も初見で良かったが、何と言っても一番は康円・作の文殊五尊。個人的には安倍文殊院・西大寺の渡海文殊と合わせて日本三大文殊としたい。更に旧浄瑠璃寺蔵の十二神将(うち4体、別に1体)が瞠目。これを機に他の十二神将もチェック開始。

------------------------------ 8月 ------------------------------
根津美術館『いのりのかたち 八十一尊曼荼羅と仏教美術の名品』
東光寺/松尾寺/満願寺/飯田十三仏堂
高山寺/善光寺

根津美術館では旧興福寺蔵の帝釈天を拝観。長野旅行で善光寺をはじめ、いくつかの寺を巡ったが特に収穫は無し。それよりも暑くて探仏どころではない感じだった。善光寺史料館では「快慶・作か?」と話題になった阿弥陀如来立像が公開されてた筈だが拝観しなかったのが悔やまれる。今だったら快慶仏と比較もできるだろうけどなぁ・・・まぁそもそも、その時は展示されてるのすら知らなかった。

------------------------------ 9月 ------------------------------
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------------------------------ 10月 ------------------------------
金沢文庫『仏像のみかた』/称名寺
鎌倉国宝館『薬師如来と十二神将』/覚園寺
東京国立博物館『東大寺大仏』


楽しみにしていた鎌国の十二神将群は数の多さ、質の高さに圧倒された。中でも鎌国蔵と曹源寺蔵の2組が◎。東博では大仏展を拝観したが、仏像は最後の快慶・作の2体(阿弥陀如来・地蔵菩薩)に感銘を受けた。安阿弥様の仏像はあまり興味なく、しかも阿弥陀如来は二度目の拝観だったのだが、今回はビビッときた(古い?)。平常展では浄瑠璃寺・四天王のうち広目天、1体だけでも凄い存在感。4体揃ったらどうなるんだ!実現してくれ~

------------------------------ 11月 ------------------------------
町田市立国際版画美術館『救いのほとけ』
法華寺/十輪院/不空院/奈良国立博物館『珠玉の仏たち』
興福寺(五重塔・東金堂)/秋篠寺/浄瑠璃寺/東大寺(法華堂)


みたびの奈良へ。平城遷都1300年祭もクライマックス。奈良博のなら仏像館では仏像の多さに圧倒される。中でも快慶・作の浄土寺・阿弥陀如来はいかにも「らしさ」があって素晴らしい。ここから快慶にも少し興味がでてきた(だから遅いって)。興福寺・東金堂では国宝の十二神将が◎×12。中でも戌神の躍動的なポーズがお気に入り。目玉は何と言っても秋篠寺の秘仏・大元帥明王。さほど混んでおらず、ゆっくり拝観できた点も良かったが、六臂なのに破綻のない威容に圧倒される。

------------------------------ 12月 ------------------------------
日向薬師(宝城坊)

締めは日向薬師。本堂が平成の大修理に入るとのことで見納め。十二神将は動きが少ないが良仏。


さて本来であれば今日あたり今年最後の探仏に繰り出して・・・となる筈だったが、大掃除をやり出したら止まらなくなり、しかもその後体調もイマイチになって・・・と情けない結末になった。まぁしかし、これだけ良仏に巡り会えたのだから文句は言うまい。来年も良き「出会い」がありますように。

来年は快慶仏を中心に・・・関東だと難しいだろうけどね。

圧巻!二十四神将

12月19日に行った日向薬師の十二神将について一筆。

本堂改修のため、仏像が宝殿に移動されており沢山の仏像を拝観することができた。宝殿のレイアウトは以下の通り(●=立像、■=坐像)


通常本尊厨子の左右に6体ずつ配置されてる十二神将(等身大)各像の前に、本堂の十二神将(1/3大)が並んでおり、二十四神将の構図で圧巻。当日はお堂を開けて下さった方と話しながらの拝観だったので、十二神将のみに集中することはできず、またメモも取らなかったので詳細なレイアウトは覚えてない。等身大・十二神将は伊勢原市HPに並んでる画像があったので確認が取れたが、本堂・十二神将は本堂の並びから想像したものなので、実際とは異なる可能性がある。


本堂・十二神将は子神・丑神・・・・とは呼称されず、1号・2号・・・・と番号制だ。


こちらは先月、鎌倉国宝館で拝観しているが、実のところあまり記憶になかった。今回改めてじっくりと拝観すると良仏であることがわかる。4,5頭身でミニチュアっぽい感じもするが、表情や動きは結構生き生きとしてた。頭上に動物を戴く像もあり、一部の呼称特定は可能だと思う。

一方、等身大・十二神将は右側から子神=宮毘羅、丑神=伐折羅、・・・・。


これまで見てきた十二神将(たぶん亥神=宮毘羅、戌神=伐折羅、・・・)と呼称が真逆。
 子
 丑
 寅
 卯
 辰
 巳
 午
 未
 申
 酉
 戌
 亥

こちらは何度も拝観してるが、これまでは隣の躍動的な四天王と比べて随分動きが硬いなと感じてた。今回はまた違った印象で、顔の色が青・赤・緑・白など残っていることや、「お決まり」のポーズ探しなどを楽しむことができ、同時に改めて凄い仏群だと認識。

結局、十二神将は呼称もポーズも寺ごとにバラバラだということがよくわかる。2組ともこれまで確認してきた十二神将群の中で全部が共通してる組というのはやはりなかった。そもそもこの2組もバラバラ。まぁ、それぞれの組に個性がある、のが十二神将ということで。

ところで本堂を参拝した際、中央に薬師如来がポツンと祀られていたが、手前右端のほうに十二神将らしき像1体が放置(?)されてるのを見かけた。本堂像と同じくらいの大きさだったが、13人目の十二神将だったのだろうか?・・・スペアかな?・・・失敗作かな?

来年の顔

今日届いた。

来年の顔は唐招提寺・千手観音。

トップバッター(1月)は室生寺・十一面観音。

このシリーズには3年連続でお世話になってる。

ちなみに今年の最後は新薬師寺・薬師如来。

来年も1年間楽しませてもらいます。

日向薬師へ

バーチャル探仏ばかりで悶々としていたので久々に出かけてみる。とは言え、ポンと行って満足できる場所はなかなか無い。であれば・・・久々に日向薬師へ行ってみることに。
前回は5月4日、7か月半ぶりの訪寺となる。

まずは参道入口近くの白髭神社へ立ち寄る。鳥居上の紅葉が見事。


自転車だったので、参道(階段)からではなく林道を大回りして裏の入口から入る。

宝城坊(日向薬師)


相変わらず本堂はいい雰囲気。なんと年末から平成の大修理が実施されるらしく、7年間は姿を見れなくなるそうだ。

今日来てラッキーだったかも。さて目的の宝殿に行くと・・・アレッ?閉まってるし。


とりあえず本堂でお参り。中尊・薬師如来しかいない。十二神将はどこへ?


寺務所の方に宝殿のことを聞くと、外にいる方に開けてもらって、との事だったのでお願いをしにいくと早速開けてくれた。自分一人のために申し訳ないような・・・


中に入ると・・・んんッ?いつもより多い・・・仏像の数。

そう、本堂改修のため、こちらに移動されていたのだ。
レイアウト図を作ってないので説明しにくいが、簡単に記すと・・・

左側: 通常は丈六の阿弥陀如来のみ。更に右横に釈迦如来坐像千手観音立像
右側: 通常は薬師三尊(中尊は丈六)。更に左横に弘法大師・行基・役行者
中央: 通常は本尊厨子・四天王・十二神将。更に各十二神将脇に本堂の小さな十二神将

・・・といった具合。本堂の十二神将はここだったのね。開けて頂いた方がずっと横で解説をしてくださった。元々は仏像の宝庫だったが、廃仏毀釈の折りに殆どが破壊された話がショックだった。いつもなら十二神将を隈なく観察するところだが、今日のところは全体の雰囲気を味わったのみで退出してきた。何度か来ているが、今回も良かった。十二神将については別の機会に書こうと思う。

外にでて境内をフラフラ。


最後に平成の大修理が滞りなく完遂することを祈願して浄財一口。


境内の紅葉もキレイだった・・・でもここトイレの上なんだよね。
また来ましょ。

運慶の父と息子と孫

快慶の本を探してるがなかなか見つからない。たぶん無い、のだろう。
できれば快慶仏全載せした、こんな本が出版されることを切に願う→→
※勿論、実在しない。あくまでも個人的な妄想なんで・・・あしからず。

再度快慶仏を確認するため東博の東大寺大仏展に行こうと思ってたのだが先週は行くことができず・・・もう終わってしまったしね。しかも年内の東博は平常展示でも11室(=仏像関連)あたりは閉室されてるらしく。
また来年ですかね。

・・・という悶々とした状態。快慶は一旦置いといて、運慶を中心に慶派仏師を確認してみる。


まずは運慶の父・康慶。 ※出典は相変わらずWikipediaとネット情報。



意外と少ない・・・判明してるのはこれだけ、らしい・・・興福寺仏中心に12体

殆ど通常公開されない仏ばかり。瑞林寺仏の公開はいつだろう?調べとこ。


続いて運慶の長子・湛慶



アレッ?こちらも少ない・・・千手観音は中尊以外はノーカウントで6体

有名(?)な割にはちょっとさみしい。実際には東大寺・仁王や興福寺仏の造像にも関わってるらしいんだけど、主体的な現存仏は少ないみたい・・・拝観の機会はあまりないかも。


更に運慶の孫・康円。(運慶の次男・康運の子)


千手観音はノーカウントでも充実の22体

殆ど拝観済み。旧興福寺蔵・文殊五尊と旧内山永久寺蔵・不動&八大童子の2組の仏群が現存、これは奇跡的。個人的には神護寺・愛染明王がお気に入り。康円仏は「動きが少ない」「誇張が目立つ」「説明的描写」など辛口に語られることが多いが、そもそも運慶・快慶仏に比較対象を求めるのは無理があるだろう。運慶の孫という肩書きがなければもっと評価されたかも。

結局、康円仏以外はあまり拝観できなそう・・・ちょっと残念。


さて、そろそろ悶々とした妄想ワールドから抜け出さないといけない。
12月は探仏に行けてないので、最後の締めくくりでどこかへ繰り出そう、と。

二十八部衆のメンバー

十二神将についていろいろ勝手な考察(というか分類)をしてきたが、そろそろキャラクターも全部覚えたし、ポーズも組によって異なることがわかったし・・・で、次のターゲットは二十八部衆。そもそも二十八部衆って今まで二組(三十三間堂、塩船観音)しか見たことがなく、あまり記憶にない。三十三間堂では中尊・千手観音の周囲に四天王、他は左右に十二体ずつ。


その内訳、まずは有名な3組から。


四天王: 梵名音写の名称で呼ばれる。
 東方天(トウホウテン)=持国天〔東〕
 毘楼勒叉(ビルロクシャ)=増長天〔南〕
 毘楼博叉(ビルバクシャ)=広目天〔西〕
 毘沙門天(ビシャモンテン)=多聞天〔北〕

仁王:
 那羅延堅固(ナラエンケンゴ)=阿形
 密遮金剛(ミッシャコンゴウ)=吽形

そして、梵天と帝釈天のコンビ(?)

なぜか東方天のみ梵名音写の名称になってない。また、ポーズが毘楼勒叉天→静的→広目天?、毘楼博叉天→動的→増長天?とそれぞれ普通とは逆の特徴をもってるように思える。


続いて興福寺仏で有名になったこちらの組。


八部衆:
 緊那羅王(キンナラ)
 乾闥婆王(ケンダツバ)
 沙羯羅王(シャガラ)
 五部浄(ゴブジョウ)
 迦楼羅王(カルラ)
 毘婆迦羅王(ヒバカラ)
 阿修羅王(アシュラ)
 摩侯羅王(マゴラ)

興福寺仏とほぼ共通してるが、鳩槃茶(クバンダ、または夜叉)がいなくて、代わりに摩侯羅(マゴラ、または摩睺羅伽:マゴラカ)という音楽神がいる。また、毘婆迦羅(ヒバカラ)は十二神将の毘羯羅(ビギャラ)に相当するらしい。あぁ、ややこしや・・・

ここからはソロ活動の方たち。



ソロでも有名、またはキャラが明確な方々・・・

 大弁功徳天(ダイベンクドクテン)=吉祥天 ※毘沙門天の妃、鬼子母神の娘
 金毘羅王(コンピラ)=宮毘羅(グビラ)=十二神将の亥神
 神母天王(ジンモテンノウ)=訶梨帝母(カリテイモ)=鬼子母神 ※吉祥天の母
 難陀龍王(ナンダリュウオウ) ※八大竜王の第一
 摩醯首羅王(マケイシュラ)=大自在天=シヴァ神
 散脂大将(サンジタイショウ) ※二十八大夜叉の首領



出自がわからない方々・・・あなた方は何者?

 金色孔雀王(コンジククジャクオウ)
 満善車王(マンゼンシャオウ)
 金大王(キンダイオウ)
 摩和羅女(マワラニョ)
 婆藪仙人(バスセンニン)
 満仙人(マンセンニン)

婆藪仙人は功徳天と対で祀られることがあるらしいけど、他で見たことないなぁ・・・

ところで、甲冑をつけてるキャラがざっと13体、その中から1体外して並べてみると・・・

これ、十二神将でしょ。ポーズも似てるし。(下段は十二神将選抜)

各尊の名称・説明は複数の書籍とWikipediaを参考にしたが、結局いつもと同様、だから何?的な感じで終わる・・・まぁでも各キャラクターについて理解したので、次に三十三間堂や二十八部衆がある所に行った時はきっと楽しめる、筈。

あぁ、久々に京都に行きたくなったなぁ・・・冬休みは京都へ出陣か。

カイケイ

会社帰りに「快慶」本を探しに書店へ。

いつも見てる棚、雑誌・美術書・旅行ガイド・仏教・歴史あたりの書棚を探すが見当たらず。

書籍検索用の端末で調べることに。

「カイケイ」と入力して検索。

  :

  :

  :

結果:10,000冊以上該当。

何と「会計」本の多いことか・・・

まぁ、オチはわかってたようなもんだけど。
結局、見つからず。そもそも快慶本ってあるのか?
Amazonでもそれらしいのがないような・・・

再びの奈良へ(詳細編):珠玉の仏たち

あれから1ヶ月、時がたつのは早い。
11/7~8の2日間の奈良旅行の初日、奈良博に行った時のことを思い出してみる。


奈良国立博物館 ※11月7日

名品展 『珠玉の仏たち』@なら仏像館


自転車がパンクしたり、館内の撮影で苦労したことは前回書いた通り
↓ 館内図は以下を参照。(クリックすると、詳細図が表示)


第1室を飛ばして第2室からスタート。

第2室〈如来〉
画像は奈良博蔵・如来像。この室ではまず元興寺・薬師如来が目を引く。さすが奈良博、国宝仏が常設という素晴らしさ。そして一番気になったのが奥の浄土寺・裸形阿弥陀如来。浄土寺と言えば快慶・作の阿弥陀三尊が有名だが、なんとコチラも快慶仏。最近、快慶には注目しているのだがこの時は「へぇ~、快慶ってこんなんもあるんだ」って感じだった。快慶云々は置いといたとしても気品があって秀逸。同じ浄土寺の中尊阿弥陀は写真で見る限り四角い顔付きであまり好みではないが、こちらはあまり角張ってなく、キリッとした眼が何とも凛々しい。

第3室 特別公開〈東大寺法華堂 金剛力士像〉
続いて第1室を横切り第3室へ。法華堂の2仏。法華堂では他の巨仏もいて圧倒されるが、博物館だと2躯だけでも迫力満点。特に阿形が大好きで、あの総髪立ちでシャウトする様は見てて気持ちイイ。

第1室〈観音菩薩〉
ここは見応えがあるエリア、見渡す限り観音・観音・・・・数が多い。まずはフロントに2躯、うち左側は妙法院(三十三間堂)・千手観音。東博では慶派・院派・円派の3躯が展示されていることがあるが、こちらは湛慶・作の1躯。まぁでも、この千手観音は千体ある中で拝観したい。右隣は元興寺・十一面観音で錫杖を持つ長谷寺式。右サイドを進むとポッチャリ体型の園城寺(三井寺)・千手観音、1年半前の国宝・三井寺展で拝観した、ハズ。中央の十字の台には4躯、右側には今回楽しみにしていた浄瑠璃寺・馬頭観音。こちらも2回目だが前回の記憶は殆どない。意外と小さかったが、忿怒相・四面八臂・火焔光背と好きな要素満載の逸仏、後方面が光背で見えなかった、残念。奥には新薬師寺・十一面観音、室生寺仏のような光背が特徴的。左サイドを進むと、奈良博蔵・如意輪観音(左上)。仏像ガールの本の表紙にも使われてたと思うが、バケツのような宝冠が面白い。如意輪観音は女性的な雰囲気なことが多いが、こちらは男性的。他に薬師寺・十一面観音や不空羂索観音などもあったのだが記憶になく。

第4室〈塑像と塼仏、中国の石仏〉
スルーしてしまった。

第5室・第6室〈菩薩〉
第5室には薬師寺・文殊菩薩があったようだがまったく記憶にない。拝観メモには「能満寺・虚空蔵菩薩と一具か」との解説を書き写してあった。薬師寺にもまだまだ知られてない仏像が結構あるのね。第6室に入り、左サイドの長命寺・地蔵菩薩は放射光背が美しい。林小路町・弥勒菩薩は「角顔・快慶風」と所感がメモ書きしてあるが思い出せない、すごく気になるなぁ・・・・。右サイドの個人蔵・観音菩薩はバケツ宝冠で旧・伝香寺蔵とのこと。

第7室〈明王〉
チラチラ見えていたのだが、この室はメインのひとつ。色彩的にも目立つ、奈良博蔵・愛染明王 (左)、保存状態が良く腕の位置・バランスが見事。快成という仏師の作だが、快慶の系統とは違うようだ。確かに慶派仏ではないような・・・でも◎。手前には不動明王が2躯、そのうち右側の正寿院・不動明王は本当に素晴らしい。まず、快慶・作の醍醐寺・不動明王に似てる、それは見た時にも気付いた。こちらとNYバーク・コレクションの不動明王は快慶・作とする向きもあるようだ。いずれにしてもこんなにスッキリ顔の不動は他では見ない。奈良博蔵・五大明王(右上)は小仏で可愛らしい。

第8室〈檀像、上代の金銅仏〉
右サイドの金銅仏はほぼスルー状態。ここでは左サイドの檀像群、奈良博蔵の3躯に注目。まず、如意輪観音(左)は第1室の男性如意輪とは異なり、気だるい女性の雰囲気を醸し出す(顔付は男性的とも見れるが)。十一面観音(中)は頭が少し大きい感じはするけど知的な顔立ちの美仏。そして国宝・薬師如来(右)、腫れぼったい目はどことなく元興寺・薬師にも共通してる。

第1室・第9室〈護法の天部形〉
いよいよ天部群、まずは四天王。奈良博蔵・毘沙門天(左)は無茶苦茶カッコイイ(ウワッ、幼稚な感想・・・)、仏像館の中で一番カッコイイ(もうイイって)。十一面観音の裏にある現光寺・四天王は顔が角張ってる。奈良博蔵・広目天(右)はあまり記憶にない。第9室の十二神将については既に別の記事で書いたのでそちらを参照
コチラから。
さて、このあたりまでが自分にとってはピーク。だいぶ時間をかけて見て来たので疲労気味。

第10室〈肖像〉
聖徳太子、南無仏太子などがあったが、ほぼスルー。

第11室〈神仏習合〉
薬師寺に隣接する休ヶ岡八幡宮の三神像は国宝。他に蔵王権現の群団や大将軍神(右)など。ここもスルー気味で。

第12室〈動物彫刻〉
ほぼ力尽きかけたところで文殊菩薩の台座であった獅子2躯が登場。右の獅子は以前に写真で見たことはあったが、どちらかと言えば犬的で大人しくまとまってる感じ。もう一方はどんな文殊が乗ってたんだろうと想像を巡らせるほどの威風が感じられる。対極的な獅子2躯は興味深い。それにしても文殊が不在なのは残念。

第13室〈仮面〉
力尽きて完全スルー・・・


あえてもう一度見たい3躯を選ぶと・・・
①浄土寺・裸形阿弥陀如来(第2室)
②正寿院・不動明王(第7室)
③浄瑠璃寺・馬頭観音(第1室)
となる。

あと、自分のメモ書きながら内容を思い出せないコチラも・・・
①’ 林小路町・弥勒菩薩(第6室): 本当に快慶仏似なのか?
②’ 春覚寺・地蔵菩薩(第6室): 愛染明王と同じ快成・作らしい、まったく記憶無し。
③’ 薬師寺・文殊菩薩(第5室): できれば能満寺・虚空蔵菩薩も一緒に。
・・・再度確認したいという意味で。


東博もいいけど、奈良博は更に凄い。また行きたいねぇ。ところで京博はどうなんだ?

運慶 vs 快慶

気が付けば・・・運慶に関する本を結構持ってたりする。



これらの本によって無意識に刷り込まれてるのが・・・・・運慶仏は31体

これまでの探仏で運慶拝観率は70%弱。以下、は探仏済み。



興福寺・北円堂の四天王は「運慶説」があるらしいがここでは本に倣って対象外とした。
未見なのは八大童子、滝山寺の三仏、大威徳明王の10体也。


一方で・・・

運慶と双璧をなす快慶はどうなんだろう?

本は一冊も持ってない、というか快慶を中心とした本を見たことがない。運慶本にオマケ
のように書いてあることが多い。そもそも全部で何体現存しているのかも知らないし。

そこで調べてみた・・・Wikipediaで・・・どこまで正しい情報かはわかならいけど。
それに「快慶」でググッて確率が高そうな2体も加えると全部で40組ほどあるようだ。

なので、ここでの結論として・・・・・数えると・・・・快慶仏は60体



注)安倍文殊院の五尊像は文殊+獅子は1とカウント、後補の維摩居士は対象外、
  仁王像は2、三尊像は3、四天王は4、十大弟子は10とカウント、推定の2体も対象とした。

追記)極楽寺・阿弥陀如来は行快作、一方で泉湧寺塔頭悲田院・宝冠阿弥陀如来は
  快慶作とする向きがあるようなので差し替える。


運慶仏の約2倍も残ってる。その割に見たことあるのが少なくて快慶拝観率は30%。
運慶仏は意識的に見に出かけてることが殆どなのだが、快慶仏の場合は行ったら
たまたまそこにあった的な出会い方が多い気がする。

快慶仏を並べてみてわかるのが阿弥陀如来の多さ!「安阿弥様」という言葉もあるし、
何となく多いんだろうと思ってたが、まさか現存の半分(20組)が阿弥陀仏だとは・・・
殆ど個々の見分けはつかないけどねぇ・・・しかし気になる仏ももちろんある。

・孔雀明王(金剛峯寺): これは未見だが有名、孔雀明王と言えば、快慶ね。
・文殊五尊(安倍文殊院): 渡海文殊の最高峰!西大寺文殊がこれに続く。
・弥勒菩薩(醍醐寺): これも未見だけど、このゴージャスな感じが好き。
・不動明王(醍醐寺): こんなイケメンな不動は他にいない。
・阿弥陀如来(裸形、浄土寺): 奈良博で拝観。洗練された立ち姿が凛々しい。でかいし。

・・・ということで、快慶仏もやはり魅力的だな、と今頃気付くのである。

気になる運慶仏との比較だが(比較する必要はないんだけど)・・・下記3種は対照的。
・阿弥陀如来: 〔運〕ドッシリ逞しい坐像 〔快〕優しげでスタイリッシュな立像
・不動明王: 〔運〕無骨でワイルドな立像 〔快〕忿怒顔でも凛々しい坐像
・地蔵菩薩: 〔運〕冷静に衆生を見据える坐像 〔快〕きれいな衣文の立像

現存数では圧倒的に快慶、国宝仏の数では運慶に軍配、
リアリズムの観点ではやっぱり運慶かな・・・快慶はスタイリッシュな感じがする。
まぁどうでもいいか。要は個人の好みで決まることでしょう。両者とも凄いということで。


書きながら、どうオチをつけようかと考えたが、思い浮かばないのでこのまま中途半端に終了。
ちなみに快慶本ってなんでないんだろう?
芸術新潮さん、別冊太陽さん、特集お願いします。