続・探仏記 ~探仏の旅は続く~

仏像探しに鉄馬童子は今日もゆく・・・

2011年12月

2011年 探仏ハイライト

もう1年を振り返る時期になってしまった・・・・
震災前後から夏頃までは仕事漬けで、その後は燃え尽き症候群、年末には風邪をひき・・・・と散々。そんな中での探仏は数こそ多くはなかったもののそれなりに充実してたかな、と。

1月:>龍峰寺/寛永寺/東京国立博物館『総合文化展』
2月:金沢文庫『運慶展』
3月:(なし)
4月:(なし)

5月:(なし)
6月:興福寺(国宝館)/般若寺/東大寺(戒壇堂)/奈良国立博物館『名品展』
   /當麻寺(堂塔伽藍・奥院・西南院)/橘寺/興福寺(東金堂)
7月:(大円寺)
8月:東京国立博物館『空海と密教美術展(1回目)』・『総合文化展』
   /同『空海と密教美術展(2回目)』・『総合文化展』

9月:(なし)
10月:興福寺(南円堂・三重塔・北円堂)/東大寺ミュージアム/広隆寺/大覚寺
11月:鎌倉国宝館『鎌倉×密教展』/高幡不動/(浄光明寺)
12月:東京国立博物館『法然と親鸞 ゆかりの名宝展』・『総合文化展』
   /金沢文庫『愛染明王展』/称名寺



続いて、今年のマイ・ベスト5仏。

第5位から順に・・・・

修禅寺・大日如来(実慶・作)

大日如来は他にも『運慶展』で運慶・作の3躯、『密教展』で高野山の1躯など拝観したのだが、運慶以外の慶派の大日如来は初めて。写真で見るより実仏はドッシリと重量感があり表情も◎で一番印象に残っている。『運慶展』は照明が今イチだった。

明王院・不動明王(肥後別当定慶・作)

こちらもなかなかお目にかかれない貴重仏。口の表現が少し誇張しすぎとも思えるが、浄楽寺/願成就院の運慶仏にも引けを取らない。同じ『鎌倉×密教展』で展示されてた園城寺の不動明王も慶派の作で素晴らしかった。

広隆寺・十二神将(長勢・作)

新薬師寺/興福寺(東金堂)と並ぶ国宝の十二神将。動きは少ない分、優美で洗練されてる。中でも因達羅大将・安底羅大将の2躯はポージングが素晴らしい!しっかり見てきたつもりだったが、2躯以外記憶が曖昧なのが悔やまれる。また行こうっと。

橘寺・如意輪観音

実はあまり期待してなかったのだが、まず大きさにびっくり!坐像だが背丈くらいあり堂々とした体躯。それでいて威圧感はなく、定朝様で優しい顔立ち、多臂だが造形に破綻なし。身も心もリラックスできる今年一番の癒し仏!

東大寺・不空羂索観音
興福寺・不空羂索観音(康慶・作)
広隆寺・不空羂索観音


同日に不空羂索観音を3躯も(全て巨仏!)拝観できるチャンスはめったにない。宝冠なしの東大寺像も珍しいし、興福寺像は年一度公開の秘仏也!


来年も良き出会いがありますように。

般舟院・不動明王と言えば・・・・

BSフジで毎日曜5:00から放送されてる(再々放送くらいかも・・・・)
日本人こころの巡礼~仏像の祈り~ 

昨日の放送は 第11話「斑鳩の里の仏像」
法隆寺・中宮寺などの仏像紹介に続き、後半に般舟院・不動明王が登場。

般舟院と言えば、このニュースが記憶に新しい。


番組では、ひと通り不動明王の説明が終わるとその後に住職らしき人がでてきて護摩を焚いてるシーンがでてきたのだが・・・・もしかしてこの人が借金作っちゃった人?

『・・・・不動明王は額に三筋の波模様を刻んでいます。波は人々の心に巣食う三つの毒、貪欲・怒り、そして愚かさを抑え込む不動明王の強い法力を表します・・・・』

という説明も空しい・・・・不動明王を前に何も感じることはなかったのだろうか・・・・であれば僧侶とは一体・・・・結局はただの人ということになってしまう。勿論、人は人なんだろうけど、少なくとも仏教を実践する人であってほしいものだ。

不動明王が無事だったのが救い。

ちなみに般舟院は京都・北野天満宮の東側で、近くには大報恩寺(千本釈迦堂)なんかもある。由緒はあるようだが、現在は非常にこじんまりとしたお寺のようだ。

動く仏像

あの海洋堂から「動く仏像」がリリースされる。
(もうだいぶ前から発表されてたかもしれないけど)

四天王と阿修羅・・・・第1弾は多聞天。
全て忿怒相・・・・阿修羅は弓矢や宝珠のようなものを持ってる。
買うかどうかは別にして、実物を見てみたいなぁ・・・・


そういえば、東大寺展で買った月光菩薩がお蔵入りしたままだった・・・・

駈込み探仏③:愛染明王展

またまた続き。

金沢文庫
愛染明王 愛と怒りのほとけ
『運慶』展以来、今年2度目の訪問。愛染明王展もこの日が最終日、あと数時間で終了・・・・鎌倉国宝館『鎌倉×密教』展と同日に行く予定だったが行けずにいた。まさに駈込み。

『鎌倉×密教』展のチケット見せで100円引き入館。館内はそれほど混んでいない・・・・東博とは違うなぁ。愛染明王をわざわざ最終日に見に来ようというのだ、きっとツウな方々に違いない、と勝手に思いながらまずは1階をサラッと。常設の十一面観音の左隣に種字愛染・・・・これまでであればスルーしてたと思うが、最近梵字がちょっと気になっていたので、この愛染の梵字もチェック。「ウン」または「ウーン」と発音するようだが、何度見てもまったく形が覚えられない不思議な造形。こういう覚えにくいものは結構好きだったりする。続けて2階へ。手前はガラガラだが、奥には人だかり・・・・どうやら解説員の方が説明をしている模様・・・・ということで説明が終わらないうちに見て回る。以下が今回のレイアウトだが仏像だけだとスカスカ状態。 <クリックで拡大>

前半は愛染明王の仏画オンパレード、比較的新しい画は愛染の赤い色が良く残っているが、古い画は黒ずんであまりよくわからないものもあった。もう少しよく見ようと思ったが、団体が解散する前に取りあえず仏像だけでも見ておこうと真ん中のガラスケースへ。

奈良の愛染明王が2躯並ぶ。右は西大寺の本尊のお前立ち、左は奈良博像。西大寺像は北川運長・作で本尊よりもっと怖い顔をしている。西大寺・愛染堂では本尊の周囲を別の愛染明王が囲んでおり、しかも堂内が薄暗いこともあり正直なところ本尊以外の愛染明王の記憶があまりなかった。なので、このお前立ち像が見れたのはよかったかもしれない。西大寺・愛染明王非公開寺でもこのお前立ちを拝観して、あぁあの時の!と思えるはず(まぁ、実はこのお前立ち像は過去に2回ほど拝観してるはずなのだが)。光背も外してあったため、背後からも拝観できた・・・・結構シンプルだったけど。一方の奈良博仏は快成・作、拝観は1年ぶりで赤が良く残ってて◎。2躯とも同じくらいの大きさだが、色も顔付きも異なる。

さて、今回一番の注目は奥側にあった醍醐寺の愛染明王。大きさは前述の2躯よりやや小ぶり、全体的に黒ずんでいる感じだったが、これがバランスといい表情といい素晴らしい!間違いなく名品でしょう。ただ、照明が若干暗くて見づらい感じがした・・・・(『運慶』展の時も感じたけど照明設備は何とかならないものか。正直普通の蛍光灯で照らしているだけなので貧相に見えることがあるし、見づらい部分もある。他の博物館などの過剰演出に慣れてるせいもあるが・・・・)

以上、3躯! 他にも極小仏が4躯、香合仏と呼ばれる開けると内側に愛染像が掘ってあるものが3個、レイアウトには載せなかったが懸仏もあったと思う。仏像目当てで来た方は若干肩透しだったと思われるが、自分的にはこの3躯、愛染仏画群、種字愛染などで十分楽しめた。

金沢文庫の最近の企画はいい所をおさえてる感じがする。さて、次回は・・・・

大威徳明王は是非左面が見えるような配置をお願いしたい・・・・


帰りは称名寺を経由。

称名寺
西日+浄土池。晴天で素晴らしい景色だった。

そして門は潜れなくなっていた・・・・

中の仁王像は相変わらず凄い迫力だった。(顔の部分が暗く画像は無し)


・・・・ということで日曜日の探仏は以上。


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おまけで浄光明寺の話。先週行った際には愛染・不動の特別拝観は残すところ木曜・土曜のみだった。雨の日は拝観中止とあり、土曜は雨だったので、もしや日曜日まで拝観延長かと期待していた。twitterで確認したところ・・・・

・・・・残念ながら日曜拝観は叶わず。

駈込み探仏②:総合文化展

昨日の続き。

東京国立博物館
総合文化展
こちらは年明けの2月5日まで展示替えがないようなので駈込みというわけではないが・・・・
前回訪れた時からは総入れ替えになってた。なお本館2階は来週から閉室となる模様。


本館11室
仏像レイアウトは以下の通り。<クリックで拡大>



入ってすぐの菩薩像はいつ見ても美しい。そして、今回の(個人的な)目玉は2躯の愛染明王、右に東博像(旧・内山永久寺)と神護寺像(康円・作)。東博像はアクセサリを身に付けゴージャスな雰囲気、一方の神護寺像は光背がない状態で展示されており、いつもと違う雰囲気で◎。神護寺蔵は西大寺像と同じくらいの大きさだが、東博像はひと回り大きく、光背もありガラスケースいっぱいになってる感じ。文殊菩薩(善円・作)は小ぶりだが凛々しい。弁才天は頭上におじいさんがトグロを巻いてて面白い。これは宇賀神という人頭蛇身の神様らしい。

奥の檀では薬師如来不動明王千手観音が撮影可能だった(千手は手ブレでボケてるけど・・・)。薬師は法隆寺西門前の個人から購入とあった。不動は天地眼など典型的なスタイル。その他としては法隆寺・阿弥陀如来は説法印を結んでいたが、左右の目が違う形をしてて面白い面容、左隣の阿弥陀三尊は定朝様、反対側の聖観音菩薩はバケツ宝冠を被り像の中央には大きなヒビあり(寄木の継ぎ目だと思うが)。

メインは妙法院(三十三間堂)の千手観音、いつもの3躯。40号(湛慶・作)/493号(院承・作)/504号(隆円・作)と慶派・院派・円派から1躯ずつのセレクト。慶派は写実的、院派は保守的、円派はその中間・・・・という解説だったがどうだったかな?四十二手の持物や手の位置や印相などはすべて同じ仕様(当たり前か)・・・・ただ慶派仏は衣文の皺が少し多かったと思う。大きな違いは顔の表情と横から見た時の胴体の厚み。


本館1室
ミュージアムショップを覗いて、次の目的地に向かおうと思ったが、2階をチェックし忘れたので行ってみる。あぁ、来てよかった・・・・旧・高山寺の日光菩薩がいた。薬師寺・聖観音菩薩のレプリカもあった。この後、いつもなら3室も覗いてみるのだが、そのままここで退館してしまった。後で確認したところ3室には、仏像ではないが當麻曼荼羅や園城寺・不動明王八大童子などの絵画があったようで、ぜひとも見たかったなぁ・・・・何で行かなかったんだろう。



東博はここで終了。続いて1時間半かけて横浜へ向かう。
続きはまた明日。

駈込み探仏①:法然と親鸞展

駆け込みで行ってみた!まずは上野から・・・

東京国立博物館
法然と親鸞 ゆかりの名宝

最終日だけあってそこそこの人・・・・と思ったら中は人・人・人・・・・

前半は書などが中心だったが、展示ケースの前は人だかりで何だか全然わからない。なので、まずは仏像だけチェックして歩く。レイアウトは以下の通り <クリックで拡大>

浄土宗・浄土真宗というだけあって、仏像は阿弥陀如来と僧像が中心。やはり阿弥陀仏が気になる。前半には3躯の阿弥陀如来。今回の展示のフラッグシップである浄土宗像は部分的に金が残り、快慶の作風(安阿弥様)に近いが、弟子筋あたりの作か。確か真言宗の寺から浄土宗に譲渡された仏だったと思うが、一体移籍料はいかほどだったのか・・・・そんなことはどうでもいいが、これから先は宗派の拠り所になること間違いなし。続いて興善寺像も同じく安阿弥様、衣が少し黒っぽいように見えた。作風は極めて快慶に近い・・・・というよりこれは快慶なのでは?大念寺像は少し小さめで作風も少し違った印象。肉髻の盛り上がり方も若干異なる。

後半は知恩寺の阿弥陀如来が登場!こちらも快慶・作とする説があるが、展示説明では断定はしていなかった。京都・遣迎院像と共通点が多いとのことだが、先ほどの興善寺像とも似てる・・・できれば並べてほしかった。そして浄光明寺の阿弥陀三尊が登場!数日前に浄光明寺に行ったっけ・・・・何も見ずに帰ってきたけど・・・・堂々たる中尊と、細面の脇侍が対照的。次は是非お堂で拝観したいものだ。

善重寺・聖徳太子像は色が良く残り精悍な感じが◎。圓福寺・阿弥陀三尊は・・・・あまり記憶に残ってないなぁ・・・・その隣の常敬寺・阿弥陀如来は説法印で釈迦如来っぽい雰囲気。お顔の雰囲気が戒光寺の丈六釈迦如来と似てる気もする・・・・出品目録を見たところ、まだ称名寺・阿弥陀三尊があるはず・・・・いくら探しも見つからない・・・・近くにいた館員の方に尋ねてみるとその方も「?」状態・・・・近くを探してくれたのだが何と目の前にあった!10cmほどの小仏・・・・見つからないはず・・・・ちなみに両脇侍が中腰っぽくなってる来迎形だった。

そろそろ人が引いたかな、とスタート地点に戻ってみたのだが人が更に増えてて入口付近は動くこともままならない・・・・ということで諦めて、人をかき分け先に進んで再度仏像群だけ拝観して終了。五木寛之・作の『親鸞』を読んでいたこともあり歎異抄とかいろいろ見たいものもあったが、そもそも最終日にそれを望むのが無理。仏像に関しては快慶系の阿弥陀仏三体が◎、僧像は法然・親鸞以外はまったく知らないキャラだったんであまり良くわからなくて残念。


この後、総合文化展を拝観したが・・・・続きはまた明日。