続・探仏記 ~探仏の旅は続く~

仏像探しに鉄馬童子は今日もゆく・・・

2012年08月

関西旅行(3日目): ①高野山・遍照光院

旅も3日目。前日はこちらに一泊お世話になった。


遍照光院

何と立派な門構え。ここに泊まろう!と思ったわけではなく、たまたまツアーパックで予約したら宿泊がここだったという偶然。宿泊者しか拝観できない快慶の阿弥陀如来があるので泊まれたのは幸運。宿泊の感想などは別に書こうと思ってるので、ここは仏像拝観ネタで。


朝6:30。宿泊者がぞろぞろと本堂に集まってくる。正式には護摩堂で本堂と棟続きになってる。一番左に陣取り、前方に目を凝らすが・・・・・いない・・・・・快慶の阿弥陀如来ではなく、中央には不動明王。そして勤行が始まる・・・・割と・・・・長い・・・・30分ほど読経が続き、我々はそれを後方で座って見てるのみ。最後に焼香してお勤めは終了。この後、ご住職とおぼしき方は退場され、脇にいたもう一人の僧侶が堂内を案内してくれた。

まず、勤行のあった護摩堂。本尊は不動明王で、その前には倶利伽羅(くりから)という剣に絡んだ龍がいて、不動が三毒を払った剣を炎で焼き尽くしながら飲み込んでる姿らしい。龍が前にあったので不動明王自身はよく見えず。両脇は大日如来と地蔵菩薩(半跏)、他に右手には案内はなかったが菩薩形の仏像もあった。

続いて、隣の本堂へ移動。中央には阿弥陀三尊。その裏手に回ると快慶・作の阿弥陀如来がポツンと置かれてた。照明などは点いてないので、正直なところあまり良く見えなかったが、それでも快慶らしい切れ長の目で、東大寺俊乗堂(一日目)や光台院(二日目)の阿弥陀如来と同様の安阿弥陀仏。目と額の白毫が暗い空間に白く浮かびあがっていたのが印象的。ただ細かいところはあまりよくわからなかったのが残念。通常は博物館に行かれてて留守にしてることが多いが、たまたま戻られてる、といった説明があった・・・・いつもはどこいるんだろうか?聞いてくるの忘れた。本堂から出ると展示ケースに快慶・阿弥陀のポストカードがあったので、寺務所で所望したのだが今は置いてない、とのことで入手はできなかった。

WEB画像を用いて雰囲気を再現↑
まぁ、しかし初めての宿坊だったが、仏像拝観付きというのは素晴らしい特典。
(ほんとは修行の一環なんだけど・・・・)

門の両脇屋根下にある彫刻・・・・凝ってる。

関西旅行(2日目): ⑦高野山霊宝館(2)

霊宝館の続き。

新収蔵庫から紫雲殿に移動。最初に平清盛が自分の血を混ぜて大日如来の宝冠を描いたと言われる「血曼荼羅」が左右に展示されてた。壇上伽藍・金堂にあったものだが、近くで見ても色落ちしているというか、煤で汚れているのかわからないが、何が描かれているかモヤッとわかるレベル。正面には②一字金輪仏頂、あまり聞かないキャラクターだが智拳印を結び、見た目は金剛界大日如来と大差ない(大日如来は月輪に坐すが、一字金輪仏頂は日輪に坐す by Wikipedia)。角には①万日大師(弘法大師)像。

平安仏が中心。渡り廊下角の千手観音を過ぎると、両脇に2m超えの不動・毘沙門天・・・・かなりデフォルメされてるというか、まったく迫力が無い感じだが愛嬌があってこれはこれで。東博の密教展にも来ていた⑥大日如来は元々壇上伽藍・西塔に祀られていた。続いて正智院・⑦不動明王は高野山内で最古の不動との事。量感がありドッシリとして貫禄あり・・・・ただ、目が丸っこくて、あまり怖い感じはしないが。⑧天弓愛染明王は六手のうち二手が顔前で弓を引く姿勢のため、顔付はよくわからず。後半のレイアウトは以下の通り。

<クリックで拡大>

最後は放光閣に展示されてる三如来。大日を中心に脇に釈迦・阿弥陀の布陣・・・・康助の作との説があるようだが、あまり覚えていない。残りの兜跋毘沙門天・阿弥陀如来(説法印)・毘沙門天・地蔵菩薩も記憶があやふやで・・・・地蔵菩薩だけ何故か南北朝時代の作で新しめだったということは覚えてるが。

といった感じで前半があまりにインパクト強すぎて、後半は割と流し見になってしまった。この後、退館しようとしたが、突然雨が降り出してきたので暫く留まることに。雨がやむまで館内を三周してしまった。やはり印象に残ってるのは運慶・八大童子の二童子、快慶・四天王あたり・・・・まぁ、それを楽しみに来たわけだし。

雨が上がったところで今夜の宿となる宿坊に移動。この日は良く歩いたなぁ・・・

関西旅行(2日目): ⑦高野山霊宝館(1)

いよいよ高野山のメイン会場へ(勝手にメインとしてるだけだが・・・)

高野山霊宝館
清盛時代の高野山

霊宝館は大きくは新収蔵庫と、紫雲殿・放光閣の2ヶ所になっている。館内図はコチラ

まずは入口から左側に曲がったところにある新収蔵庫。鎌倉時代以降の仏像が中心。入ると丈六の①阿弥陀如来、隣に背丈より高い②不動明王と続く。下の画像は外にある霊宝館の看板を撮ったもの。最初に入るとこんな雰囲気。

新収蔵庫のレイアウトは以下を参照(仏像のみ記載)。③不動明王は快慶風で、醍醐寺や正寿院の不動と雰囲気が似てるが時代はもう少し後のもので快慶の弟子筋の作となるようだ。④不動明王は平安仏で壇上伽藍にあった国宝・不動堂の旧・本尊、往時は運慶・作の八大童子と共に祀られていた。⑤愛染明王は新しめで少しおとなしくも感じるが割と佳作。大日如来が今ひとつ思い出せない。
<クリックで拡大>


続いて快慶仏が5躯。⑦深沙大将は5月に東博で拝観、相変わらず凄い形相で一番動きがある。続く⑧四天王は初見、持国天が戟を、増長天が短剣を持っており通常の四天王と逆、いつの頃からか持国天と増長天が逆に呼ばれるようになってしまったらしい。この中では広目天が快慶、他は弟子の作とされてるが、確かに広目天だけ別格の出来栄え。4躯揃ってることが素晴らしいのだが、広目天が三歩くらい抜きんでてる感じ。いや~やっと拝観できた・・・・・ここまで来た甲斐あり。

真ん中の部屋をスルーして、次はいよいよ運慶の八大童子!といってもフルではなく、⑩恵光童子(えこう)、⑪烏倶婆伽童子(うぐばが)の二童子のみ。しかし、そのクォリティの高さにビックリ。快慶仏も良かったが、感情まで見えてきそうな微妙な表現を感じ取ることができる。彩色も良く残っており、そして一番印象的なのは玉眼・・・・本当の眼に睨まれているようなリアルさ。八大童子はすべて腰を左右どちらかに軽く捻っているが、それは修行僧のほうを向くようになっているためとの事。不動明王を中心とした精鋭八童子に睨まれたら身が引き締まること必定だろう。やっぱり運慶は一段違うと感じた。二童子でこれだけインパクトあるんだから、八童子全てそろったらどうなることか・・・・(そのうちの二童子は後補作だが)。この2躯は仏像の最高峰と言っても過言ではないだろう。さすが国宝。

この部屋には端っこに大日如来があったのだが、これまた思い出せない。運慶仏があまりにもインパクト強すぎたので、他の印象が薄いのも仕方ないことだろう。霊宝館には他に快慶・作の孔雀明王と執金剛神(修復中?)があり、あと少しでコンプリートだったが、また次の機会に期待したい。また八大童子が一堂に集まった時は是非来てみたいものだ。

続く。

関西旅行(2日目): ⑥高野山・金剛峯寺

光台院を辞した後、一旦女人堂の方に行ってからバスでここまで戻ってきた。


金剛峯寺

言わずと知れた高野山真言宗の総本山。

蟠龍庭(ばんりゅうてい)という石庭が拡がっている。

しかし、暑かったのでゆっくり庭を眺める感じでもなく。

中は各部屋の襖絵が見れるようになってて狩野派の絵などが堪能できる。奥の新別殿というところで、お茶を頂きながらお坊さんの法話(説法?)を聞いた。・・・・・が、ちょうどいい感じの気温で心地よくなり、若干船漕ぎ状態だったので話の内容をあまり覚えておらず。

心地よい昼間のひと時を過ごせたということで・・・・・次へ

関西旅行(2日目): ⑤高野山・光台院

大門から壇上伽藍を通り、大師教会・六時の鐘などを通過し、昼食の後は約束の地へ。
最初に行った金剛三昧院はメイン通り南側にあったが、今度は北側の閑静なエリア。


光台院

光台院といえばこの本の表紙にもなっているが快慶・作の阿弥陀三尊(表紙は勢至菩薩?)。前日に電話で拝観をお願いしていた。お寺に電話するのは初めてだったかもしれない。午前中は法事があるとのことだったので、午後一で伺う旨を伝えておいた。門には「高野御室」とあり、御所とも繋がりを持っていた由緒正しい寺院。
<クリックで拡大>

『仏 光 座を完備した快慶作中でも最善美の・・・・』と書いてある、期待せずにはいられない。

約束の時間10分前くらいに到着し呼び鈴を鳴らす。女性が応対に出て来られたので名前を告げると、少し待った後に本堂へ案内してくれた。中に入るとまずは中央に坐して焼香。その間にろうそくを灯してくれ、薄明りの中に快慶仏が浮かび上がる。そして前のほうに導かれて目の前で拝観。暗めだが顔立ちなどははっきりわかるレベル。
 ↓ WEB画像を用いて雰囲気を再現

・中尊は典型的な安阿弥様、東大寺仏にも引けを取らない優美さ。
・両脇侍の二菩薩は更に小仏ながら表情も素晴らしく、むしろ本尊より目を引く。
・光背の細工も非常に細かく、素晴らしい。
・三尊のバランスが絶妙。

快慶晩年の作との説明があったが、ある意味快慶のこれまでの集大成であり最高峰の作と言ってもいいだろう。それを独占拝観できるんだからこれ以上贅沢な時間はない。そう言えば、案内の方と冒頭の『高野山』の表紙の話題になった時、阿弥陀さんも写していったのに脇侍の菩薩さんだけでしか載ってないんですよね、と言われてた。それくらい脇侍もレベルが高い、と。

特に拝観料などがないため、「志納」になるのだが、こういう時の渡し方が実はよくわからない。何もせずというのも失礼なのでポストカードセット700円と朱印300円とわずかな賽銭を入れてきた・・・・これで良かったのだろうか。

帰りには案内してくれた方が玄関まで見送って下さった。門を出るところで振り返るともう一礼して下さったので、こちらもお礼を返して光台院を後にした。何だかとても清々しい拝観だった。

関西旅行(2日目): ④高野山・大門

壇上伽藍を中門側から通りに出て東向きに歩いてると、たまたまバスが来たのでそれに乗って次の場所へ。


大門
本来はここから拝観スタートすべきだったのかもしれないが、まぁ気にしない。

しかもバス停が門の裏側なので、裏から門に向かっていくことになる。まぁいいか。

正面から見るとかなり大きく迫力あり。(画像からは伝わらないが・・・・)


両脇の金剛力士も大迫力・・・・しかし前日に東大寺南大門の金剛力士見てきてるのやっぱりそちらの方が・・・・イヤそんな、比較は失礼・・・・それぞれに個性があるということで。


南大門はたしか左:阿/右:吽だが、こちらは左:吽/右:阿と逆の配置。むしろこちらのほうが一般的かも。ここはサラッと見て再び元の道を今度は徒歩で戻り、次の場所へ。

関西旅行(2日目): ③高野山・壇上伽藍

昨日取り上げた根本大塔のある場所がココ。


壇上伽藍

壇上伽藍は、それ自体が曼荼羅を表している、との事。
確かに根本大塔を中心とした密教世界がそこに拡がっている。

<クリックで拡大>


各堂には以下の仏像が安置されてる。いずれも新しいが・・・・
※グレー文字は拝観不可/暗くて見えない/見てない/覚えてない、等。

金堂薬師如来/金剛薩埵/不動明王/普賢延命菩薩/虚空蔵菩薩/降三世明王/金剛王菩薩
 ⇒高村光雲・作。本尊・薬師如来は絶対秘仏で厨子の中。
根本大塔: 胎蔵界大日如来/阿閦如来/宝生如来/阿弥陀如来/不空成就如来
御影堂弘法大師(?)
准胝堂准胝観音/如意輪観音/弥勒菩薩/愛染明王
孔雀堂: 孔雀明王
 ⇒元々は快慶・作の孔雀明王が安置されてた。現在は新しい仏像になってる。
西塔: 金剛界大日如来/宝幢如来/開敷華王如来/無量寿如来/天鼓雷音如来
 ⇒東博「空海と密教美術」展で来ていた大日如来は元々ここに安置されてた。
中門(再建中): (持国天/多聞天)
 ⇒二天は現在根本大塔に安置されてる。
不動堂不動明王/八大童子
 ⇒元々は平安時代の不動明王と運慶・作の八大童子が安置されてた。現在は不明。
東塔: 尊勝仏頂尊/不動明王/降三世明王
三昧堂金剛界大日如来
大会堂阿弥陀如来/勢至菩薩/観音菩薩
愛染堂: 愛染明王

金堂内は内陣が格子で区切られ曼荼羅(複製)や仏像群はあまり良く見えない。金堂と根本大塔以外は入堂できなかったが、障子の一枠が開いているため薄暗いながらも安置されてる仏像は何となくわかる。伽藍内で唯一国宝の不動堂は完全に閉じられてて中を窺うことはできない(もう過ぎてしまったが8/21に一日だけ特別公開があったようだ)。一つの堂を覗きこんでは、また次の堂へ、とかなり時間がかかった。

言うなれば曼荼羅世界に入り込んで各尊にご挨拶してきた、といったところか。印象に残った仏像は無いものの密教の世界観を体感できた・・・ような気がした。密教は言葉では教えられない秘密仏教だから、体で感じさせるような構成になってるのね。

ちなみに中門は、来る2015年の高野山開創1200年記念大法会に間に合わせるため2014年完成を目指して目下再建中のようだ。

関西旅行(2日目): ②高野山・根本大塔

金剛三昧院から千手院橋交差点まで戻り、東側に進むと蛇腹道という参道が見えてくる。
その先に・・・・

根本大塔

この大きさには圧倒された。
青空に塔の鮮やかな朱色が映える。
写真では見ていたが実物は想像以上。
鉄筋コンクリート製だが外見上は気にならない。

拝観料を払って中へ入ると、大日如来を中心に四如来が囲んでいる。中心は胎蔵界の大日如来(法界定印)、周囲は金剛界四如来という珍しい混合フォーメーション。仏像も建物も昭和建立なので鮮やかな色彩・・・・創建当初はどの寺もこういう感じだったのかもしれない。

塔内をグルッと1周。五智如来を側面からも拝観、各柱に十六大菩薩が描かれてて、裏手に中門にあった持国天・多聞天。とにかく色彩鮮やかという印象。

関西旅行(2日目): ①高野山・金剛三昧院

2日目は初の高野山へ。高野山駅からとりあえず宿坊に向かい手荷物を置いてから拝観スタート。徒歩でメイン通りの中心である千手院橋交差点方面へ。当初は大門から順に見ていこうと思ってたが、現在地から一番近くにあるところへ最初に行ってみることに。ゆるやかな坂道を上っていくと・・・


金剛三昧院


楽しみにしていた場所のひとつ。ここには国宝の多宝塔がある。

・・・

・・・

・・・

あるにはあったが・・・



桧皮葺き替え工事中でこんな姿に・・・・

訪問のタイミングが悪く、何とも残念。

もうひとつ、本尊の愛染明王は慶派仏とも言われているので何とか拝観したいが・・・・
<金剛三昧院HPより>
Q. 本尊の愛染明王様は拝観できるのですか?
A. 宿泊客と、日帰りで先祖供養に来られた方にはご案内しております。

どちらにも当てはまらない・・・・本堂に行ってみると正面扉にガラス窓があり中を見ることが可能。読経の最中だったので窓にへばりついてガン見することはできなかったが、薄暗い中に愛染明王のお姿が。

 ↓ Web画像を拝借し当日の拝観イメージ(色合い)を再現

こんな感じで見えた。

特に拝観の申し出などせず、勝手にうろうろしていたが大丈夫だったか?


メイン通りから少し離れた所にあり、閑静な佇まい。
とても落ち着く良いところであった・・・・・が、多宝塔が・・・・

またいつか来るべし。

関西旅行(1日目): ④奈良・東大寺南大門

18時過ぎていたが、まだ十分明るいので散歩がてら東大寺に。

東大寺
とはいえ、お堂は既に閉まってるので、南大門だけ見てきた。

365日天気も時間も気にせず運慶・快慶仏が見れるのはココだけ。

そのうちまたゆっくり見に来よう。



この後、再び奈良博に戻り、「ならファンタージア」というイベントを見てきた。なら仏像館の興福寺側で開催され、建物にライトを投影し音楽と共にストーリーが展開・・・・鳥がはばたくシーンが長くてちょっと中だるみする部分があったけど、それなりに迫力もありまぁまぁだったかな。




この日の宿泊は大阪・難波だったが・・・・昼間の奈良ぐらい暑かった・・・・