続・探仏記 ~探仏の旅は続く~

仏像探しに鉄馬童子は今日もゆく・・・

国宝仏

0泊3日の奈良探仏(概要)

今回は1年間ご苦労様と自分を慰労する奈良の旅。初めて往復で高速バスを利用、22日の夜に出発、24日の早朝に帰宅という強行軍。いつもなら長々と書くところだが、あまり時間もないのでとりあえず概要をサラッと。



法隆寺

前回は金堂が改修中だったので、金堂内部に入って拝観するのは初めて・・・ただ金網越しの拝観でちょっと残念。大講堂の薬師三尊、五重塔の塔本塑像も記憶にないので初見だったのかな。一番印象に残ってるのは大宝蔵で拝観した地蔵菩薩。あのドッシリとした安定感がイイ。夢殿では救世観音の厨子は閉じていたが、行信・道詮という二僧の国宝像を拝観することができた(あまり記憶には残ってないが)。



中宮寺

4年前にも入口まで来たが本堂で法要があり断念。満を持しての拝観だったが、魅惑の(伝)如意輪観音とは微妙に距離があり、遠目に黒光りした美しさを感じるのみ。どちらかといえば近代的な本堂のほうがインパクトあった。



法起寺

こちらの十一面観音はまったく記憶になかったが、何とも大きく、そして金色に輝き堂々たる容姿。表情は仏頂面だが素晴らしい。脇にも数体の仏像が安置されていた(あまり覚えてないけど)。



長岳寺

初めて玉眼を嵌入した仏像で名高い阿弥陀三尊。康慶・作との見方もあるが、そもそも康慶の作風があまり理解できていないので、「らしい」か「らしくない」かわからない。本尊よりも向かって右側の観音菩薩の表情がキリッとして一番慶派らしい作風に思えた。反対側の勢至菩薩は、光のあたり具合なのかもう少し柔和な表情に見えた。いずれにせよ、慶派を知るには重要な仏像群。



安倍文殊院

快慶・作の文殊五尊。近づいて眼前に見上げる文殊菩薩には平伏すしかない。快慶の中でも好きな仏像で、何分でも見ていられる。優填王も現実離れした顔付きながら厳格な表情がリアルで素晴らしい。須菩提はあまり気にしたことがなかったが、近くで見ると左肩の衣がはだけて肋骨が浮き出てるところがこれまたリアル。維摩居士だけは後補で、衣紋の彫りも浅く快慶仏とは程遠い。



霊山寺

本尊・薬師三尊の厨子は閉じていたが、目的は周囲の十二神将にあった。ただ堂内が薄暗くよくわからなかったのが残念。絵葉書でも、と思ったがそれもなく少々ガッカリ。右サイドの大日如来、左サイドの阿弥陀如来(いずれも重文)は近くで拝観できた。



興福寺

最後は閉堂直前に駆け込んだ東金堂。いつもながらに十二神将は素晴らしいのだが、今回は四天王に着目。ギョロ目でズングリした体型と動きが少ない姿形が特徴的。文殊・維摩のペアもいいし、脇を名仏たちが固める最強布陣。日光菩薩の指が欠損してたのに今頃気づいた・・・そういえば薬師三尊はあまり注意して見ていなかったかも。


この後、東大寺・南大門にも行ってみたが、真っ暗でまったく何も見えず、ここで探仏終了。
詳細はまた別の機会にでも。

関西旅行(3日目): ③大阪・道明寺 〔完〕

いよいよ旅の終盤、新大阪に行く前に少し寄り道。


道明寺
「道明寺」といえば和菓子?原料となってる道明寺粉はこちらが発祥とか。

毎月18日・25日は国宝・十一面観音の御開帳。18日に大阪にいるんだから行かない手はないと思い寄ってみた。道明寺駅から徒歩10分弱だが、高野山と違って蒸し暑くて閉口。

拝観料を払って本堂に上がると既に尼さんの説明が始まってた(ここは尼寺)。一通り説明が終わると拝観タイム。前のほうに進んで間近で拝観可能。薄暗いのでわかりづらいが、小ぶりながら端正な顔立ち、少しポッチャリ体型。正直なところあまりインパクトはなかったが、洗練された良仏という印象。

国宝の十一面観音は全7躯あるが、これまで室生寺・聖林寺・法華寺の3駆を拝観しているので、これで4駆目(他は観音寺・向源寺・六波羅蜜寺)。堂内の後方には他に釈迦三尊・勢至菩薩・太子像・別の十一面観音・大黒天など様々な仏像がおかれていたが・・・・・実はあまり覚えていない。

しばらくして雲行きが怪しくなってきて、遠くで雷が鳴り始めたので退散することに。駅に向かう途中でポツポツと雨が降り始め、駅に到着したと同時にものすごい勢いのゲリラ豪雨となった・・・・間一髪セーフ。この後、同じく毎月18日開帳の葛井寺で国宝・千手観音を拝観する予定だったが、ドシャ降りの中、駅から歩く気もせず、今回はご縁がなかったということでパス。

これより後は近鉄線で雷による信号故障が発生し数分停車、その後のJR線であと一駅というところでこちらも信号故障で運転再開見通し立たず、別路線への振替えとなり・・・・という事態になりこれ以上どこか寄るのは困難と判断。これにて2泊3日の関西旅行は幕引き。

今回の旅行では、やはり2日目の高野山が初めてということもあってか印象深い。八大童子が全部揃って展示される時には再訪しようと今から決めている。

やっと全部書き終わったけど、もう2週間前のことだし、既に仕事にも戻っているので、だいぶ昔の出来事のように感じる今日この頃・・・・

関西旅行(2日目): ⑦高野山霊宝館(1)

いよいよ高野山のメイン会場へ(勝手にメインとしてるだけだが・・・)

高野山霊宝館
清盛時代の高野山

霊宝館は大きくは新収蔵庫と、紫雲殿・放光閣の2ヶ所になっている。館内図はコチラ

まずは入口から左側に曲がったところにある新収蔵庫。鎌倉時代以降の仏像が中心。入ると丈六の①阿弥陀如来、隣に背丈より高い②不動明王と続く。下の画像は外にある霊宝館の看板を撮ったもの。最初に入るとこんな雰囲気。

新収蔵庫のレイアウトは以下を参照(仏像のみ記載)。③不動明王は快慶風で、醍醐寺や正寿院の不動と雰囲気が似てるが時代はもう少し後のもので快慶の弟子筋の作となるようだ。④不動明王は平安仏で壇上伽藍にあった国宝・不動堂の旧・本尊、往時は運慶・作の八大童子と共に祀られていた。⑤愛染明王は新しめで少しおとなしくも感じるが割と佳作。大日如来が今ひとつ思い出せない。
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続いて快慶仏が5躯。⑦深沙大将は5月に東博で拝観、相変わらず凄い形相で一番動きがある。続く⑧四天王は初見、持国天が戟を、増長天が短剣を持っており通常の四天王と逆、いつの頃からか持国天と増長天が逆に呼ばれるようになってしまったらしい。この中では広目天が快慶、他は弟子の作とされてるが、確かに広目天だけ別格の出来栄え。4躯揃ってることが素晴らしいのだが、広目天が三歩くらい抜きんでてる感じ。いや~やっと拝観できた・・・・・ここまで来た甲斐あり。

真ん中の部屋をスルーして、次はいよいよ運慶の八大童子!といってもフルではなく、⑩恵光童子(えこう)、⑪烏倶婆伽童子(うぐばが)の二童子のみ。しかし、そのクォリティの高さにビックリ。快慶仏も良かったが、感情まで見えてきそうな微妙な表現を感じ取ることができる。彩色も良く残っており、そして一番印象的なのは玉眼・・・・本当の眼に睨まれているようなリアルさ。八大童子はすべて腰を左右どちらかに軽く捻っているが、それは修行僧のほうを向くようになっているためとの事。不動明王を中心とした精鋭八童子に睨まれたら身が引き締まること必定だろう。やっぱり運慶は一段違うと感じた。二童子でこれだけインパクトあるんだから、八童子全てそろったらどうなることか・・・・(そのうちの二童子は後補作だが)。この2躯は仏像の最高峰と言っても過言ではないだろう。さすが国宝。

この部屋には端っこに大日如来があったのだが、これまた思い出せない。運慶仏があまりにもインパクト強すぎたので、他の印象が薄いのも仕方ないことだろう。霊宝館には他に快慶・作の孔雀明王と執金剛神(修復中?)があり、あと少しでコンプリートだったが、また次の機会に期待したい。また八大童子が一堂に集まった時は是非来てみたいものだ。

続く。

関西旅行(1日目): ④奈良・東大寺南大門

18時過ぎていたが、まだ十分明るいので散歩がてら東大寺に。

東大寺
とはいえ、お堂は既に閉まってるので、南大門だけ見てきた。

365日天気も時間も気にせず運慶・快慶仏が見れるのはココだけ。

そのうちまたゆっくり見に来よう。



この後、再び奈良博に戻り、「ならファンタージア」というイベントを見てきた。なら仏像館の興福寺側で開催され、建物にライトを投影し音楽と共にストーリーが展開・・・・鳥がはばたくシーンが長くてちょっと中だるみする部分があったけど、それなりに迫力もありまぁまぁだったかな。




この日の宿泊は大阪・難波だったが・・・・昼間の奈良ぐらい暑かった・・・・

関西旅行(1日目): ③奈良博 『珠玉の仏たち』展

閉館まで残り30分、駆け足で拝観。

奈良国立博物館
なら仏像館・名品展『珠玉の仏たち』

中に入ると、昨年訪れた時と同じく、元興寺・薬師如来を中心に前方両脇に興福寺・広目天/多聞天に出迎えられ拝観スタート。

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金剛寺・降三世明王: 修復前の写真と見比べると迫力が段違い。
室生寺・十二神将: 4年前に室生寺で見たのは10躯・・・ようやく残りの2躯に巡り会えた。
正寿院・不動明王: 伝快慶・作・・・いや、きっと快慶に違いない、と信じてる。
林小路町自治会・弥勒菩薩: こちらも快慶風だが、顔付きがちょっと違うなぁ。
奈良博・釈迦如来(清凉寺式): だいぶデフォルメされてる感じがするが、そこが個性的。
奈良博・如意輪観音: 小ぶりながら美仏。対角にある十一面観音も良かった。
興福寺・広目天: やはり一番はコレ。多聞天と比較するとかなり落ち着いた風情。

時間切れでミュージアムショップも2~3分見ただけで退館、ちょっと残念。

関西旅行(1日目): ②奈良博 『頼朝と重源』展

続いてお隣のコチラへ。(避暑地をリレー)


奈良国立博物館
特別展 頼朝と重源 -東大寺再興を支えた鎌倉と奈良の絆-


快慶仏が一度にまとめて見れる良いチャンス!・・・だったが、石山寺・大日如来は8/5迄で既に去った後であった・・・残念。9月には東京に来るようなので、そちらに期待しよう。展示は意外と狭いスペースで、一巡して次の一部屋へ行ったらもうおしまい。

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また、栃木・地蔵院の観音菩薩・勢至菩薩は慶派仏で坐像・立像の珍しい組み合わせなので是非見たかったが、こちらは8/21からでこれまたタイミングが悪い時に来てしまった。

運慶の2躯は既に拝観済、帝釈天は後年の彩色ながら良い。快慶の5躯のうち、未見だった耕三寺・阿弥陀は表面がだいぶ痛んでてあまり快慶っぽさも感じられず。また、僧形八幡神は何度見ても「作り物」的に見えてしまってどうもあまり好きになれない。東大寺の阿弥陀・地蔵は2躯とも優美で截金模様も素晴らしく今回の展示の中で一番良かったと思う。運慶作の重源像を中心に快慶仏3躯が左右後方を囲むフォーメーションもなかなか良かった。

慶派仏以外では、東大寺・勧進院阿弥陀堂の四天王が小ぶりながら良い仕事。神奈川・阿弥陀寺の文殊菩薩は、東博の文殊と類似性が指摘されていたが、確かに似てる。両方同時に展示してもらえると良かったのだが(東博仏は写真だけ)。


閉館60分前に入館して既に残り30分・・・・2周見て、なら仏像館のほうへ向かった。

関西旅行(1日目): ①奈良・興福寺国宝館

夏休みは2泊3日の関西旅行へ。

1日目は新大阪からスタートし午後は奈良へ移動。
強烈な暑さを避けるため、まずココへ。


興福寺・国宝館

昨年の夏来た時との差異として、入口付近の金剛力士頭部の先、角を曲がったところに新たな展示ケースが増設されており、出土品などが展示されてた。また、板彫十二神将や、その対角にある法相六祖のあたりにあった衝立のようなものが撤去され、まっすぐ進めるようになった。気付いたのはそれくらい。

今回注目したのは、最初のエリアの平安仏2躯。  <レイアウトは昨年拝観時、クリックで拡大>

釈迦如来と阿弥陀如来は共に平安後期から鎌倉時代に作られたいわゆる定朝様。興福寺では阿修羅はじめとする天平仏や、慶派仏にどうしても目がいってしまうが、こういう「佳作」もあったんだなぁ、と改めて感じた。単尊だったらもっと注目されていい仏像かも。

裏手にある小さな地蔵菩薩も慶派の特徴が顕著でなかなか良い。出口付近の弥勒菩薩半跏像も華やかで厨子の絵も◎。国宝館は良仏が豊富にあるので、何度来ても飽きることがない。